当時30代半ばで突如乳がん告知を受けた私。
淡々と今後の治療計画が立てられる中、突然お医者さんから問われます。
抗がん剤を開始する前に、卵子凍結を希望されますか?
乳がんの治療についてしか考えてなかった私は、「なぜ今その話が?」という状態でした。
主治医の方曰く、「抗がん剤を投与すると、身体がおおよそ+10歳ほど加齢するイメージ」とのことで、私の場合抗がん剤を投与すると身体が40代半ばになることになるため、もし今後子供を望むのであれば、抗がん剤の投与前に卵子や胚(受精卵を発育させたもの)凍結をした方が良いとのことでした。
身体が10歳歳とるって何・・・?怖いよ〜〜😱
しかし悠長に恐怖を感じている暇もなく、
- 抗がん剤前に手術をするのか
- 手術前に抗がん剤を投与するのか
- 卵子(または胚)凍結をするのかどうか
といった選択肢を提示されました。
生まれてから今まで、せいぜい「どこの学校に行きたいか」「どの会社に入りたいか」程度の決断しかしたことが無かった私は、急ぎで人生を左右するような大きな決断を下さなければならない状況に、とてもストレスを感じました。。
抗がん剤前に凍結!で、一体何をすれば・・・?
しかしストレスに感じようが、早く決断をしなければならない事実はかわりません。
「手術と抗がん剤はどちらが先の方が良いのか分からない」
「仕事が忙しすぎて子供が欲しいかは正直分からないけど、将来欲しくなる可能性もゼロではない」
「しかし卵子凍結を挟んで抗がん剤治療を遅らせることで、癌が進行してしまうのではないか?」
混乱する中、私がとった決断は「胚凍結→抗がん剤→手術」でした。
以下が「必ず正解」というものでは無いものの、主治医の方と相談の上で検討し、
・抗がん剤が先でも手術が先でも治療成績に大きな差異はなさそうということ
・子供についてはまず凍結をしておけば、後に慌てずに検討できる
・私の癌のタイプは急激に成長するタイプのものではないこと
という理由で上記の決断に至りました。
さて、方針を決めたところで何をしたら良いのか。
当時既婚だった私は、まずは役所へ「戸籍謄本」をとりにいくことから始まりました。
胚凍結に向けて受精卵が必要になるため、病院に対し「ちゃんと入籍しており、夫も同意している」という証明が必要になるとのことで、「戸籍謄本」、または「婚姻届受理証明書」を病院側に提出する必要がありました。
ただし近年の時代の流れとして、近年は入籍をしないまま事実婚の状態を選択する人々も多くなってきているため、病院によってはこれらの証明書を提出不要としている病院もあるようです。
そのため、もし私と同じように胚凍結を検討されている方は、事前に病院にこれらの提出が必要かどうかを確認してみてください。
ありとあらゆる同意書にサインしたあと、ついに胚凍結のプロセスに入ります。
そして涙の採卵へ
採卵までのプロセスは、こんな感じです。
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- 血液検査などの検査(血液検査や卵管造影検査)
- 排卵誘発
- 採卵(日帰り)
- 体外受精、凍結
採卵の際は鼻スプレーなどを活用して排卵を誘発しつつ、1度だけ朝5時に起きて初めての「自己注射」をしました。(自分でお腹に自己注射をするのはとても怖かったですが、私は全く痛く無かったです!)
個人的には一定期間毎日通院しなければならない時があり、仕事をしながらの通院が結構大変だったように記憶しています。
採卵に関しては部分麻酔にて実施されました。
私はもともと両方の卵巣にチョコレート嚢胞があり、それが原因なのかは分かりませんが、採卵時の針が貫通した瞬間痛すぎてびっくりしてしまいました。
全身麻酔でやって欲しかった・・・(泣)
採卵の激痛に耐えながら、ふと「これが終わったら今度は抗がん剤が待っているのか」「今後どうなってしまうのだろう」「私は何でこんな大変なことに耐えなければならないのか・・・」と考えた途端、突然涙が止まらなくなってしまい、術後も1時間くらい通しで号泣する始末でした。。
(この時、ここしばらく抱えていた精神疲労が一気に放出された感じがありました)
夫の通院も完了し、1つだけ質の良い受精卵ができました。
しかし結果はそれ含めて4つくらいしか取れず、乳がんの主治医にもう一度採卵にチャレンジしたいかを問われたものの、個人的には「キツい」という気持ちの方が勝ってしまい、これ以上の採卵は諦め、いよいよ抗がん剤治療に向けて準備を始めます。
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