2回目の抗がん剤投与も始まり、具体的な手術日程が見えてきました。腫瘍は4cmもあったため、もちろん「部分切除」の選択肢はなく、「全摘」になります。
ここで今まで検討を先延ばしにしていた「再建」について、本格的に考えなければならない時期が近付いてきました。
再建することによるリスクの差はあるの?
再建するかしないかの選択は、個人個人のライフスタイル・体系や病院(医師)の能力、今後の治療計画(放射線治療があるかどうか等)などによって大きく異なります。
- 再建や再建方法により何かしらのリスクは発生するのか?
- そもそも身体に追加の負担をかけてまで、再建をしたいのか?
- する場合は人工物にするか、自家組織で再建をするのか?
- 生活に不自由はあるのか?
などなど、色々疑問に思うところがあり、特に1番の「再建をすることにより、今後再発のリスクを見落とす可能性があるのか」の部分が気になり主治医に聞いた所、
再建する・しないで再発リスクが上がったり、再発見落としリスクが上がったりすることは無いので、ご自身のライフスタイルに合わせて検討して下さい
とのことで、シンプルに「(私の生活や気持ち的に)再建乳房があったほうが良いのかどうか」を軸に検討し、私の場合は趣味として「温泉、サウナ巡り」「海水浴」が含まれていることから、「再建をする」ことで検討しました。
再建を決定!一次一期/一次二期の選択
再建することにしたならば、次に「どのように再建をするか」の検討です。
「同時再建(一次一期再建/一次二期再建)」で腫瘍も取り除きつつ再建も同時にやってもらうのか、一度腫瘍を取り除く手術だけをして、再建については後ほど検討する「二次再建」などがあり、私の場合はおそらく放射線治療は不要だろうということで手術回数を抑え、なるべく自然に再建できる「同時再建(一次二期再建)」を選択しました。
ざっくりと、以下のような流れになります。
- 乳房全摘と同時にティッシュエキスパンダー(組織拡張器)を挿入する(ここまで手術1回で完了)
- 退院後、3~6ヵ月かけて通院し、ティッシュエキスパンダーに約2週間ごとに生理食塩水を追加して徐々に皮膚を伸ばす
- ティッシュエキスパンダーを取り出し、人工物か自家組織と入れ替える(手術2回目)
※後日譚になりますが、最初にティッシュエキスパンダーについて説明を受けた時に「えっ、徐々に皮膚を伸ばすって、何!?ホラー映画みたいで怖い!」と感じましたが、生理食塩水の注入を実際にやってみると全く痛くも痒くもありませんでした(笑)。
ティッシュエキスパンダーの挿入については合併症を起こしてしまった場合、緊急で取り外して摘出手術をしなければならないというリスクも存在するようですが、「まあそうなったらそうなったで」と言う感じで決めてしまいました。
また、放射線の治療はおそらく不要と言うことでこの手術方法を選択しているものの、手術の過程で事情が変わった場合は二次再建に切り替えるなど、臨機応変に対応すると言う合意書にサインをしました。
再建については以下に詳しく書かれていましたので、詳細が気になる方はぜひ読んでみて頂ければと思います!
再建の中身は人工物?自家組織?それぞれのメリット・デメリット
もう一つ悩むポイントとして再建した胸の中身を「人工物」にするか「自家組織」にするかがあります。
人工物の場合はシリコンバッグを挿入する、自家組織の場合は背筋かお腹の脂肪と言う「自分の身体の組織」を使った再建方法で、それぞれのざっくりしたメリットデメリットは以下の通り。(病院にによって技術など異なる可能性があるので、是非病院に聞いてみてほしいです!)
インプラント再建のメリット◎
- 傷口が少ない
- 身体への負担が少ない
インプラント再建のデメリット✖️
- 人工物が身体に合わずに合併症を起こす可能性がある
- 人工物が劣化するため、10年に1度入れ替え手術を行う必要がある
自家組織再建のメリット◎
- 自分の身体の組織を使うため、合併症のリスクが低下
- 1回手術をすれば済む(再度の手術が不要)
自家組織再建のデメリット✖️
-
- 胸以外にも傷口ができる(30cm程度の傷)
- 身体への負担が大きい
私の場合は残念ながら(?)元々背筋で済むレベルの胸のサイズでしかなかった&胸のために10年おきに手術するのも面倒と言うことで、背筋を使った再建方法にしました。
(胸が大きい人は背筋だけでは担えず、お腹の脂肪などを複数回入れるなどの方法もあるそうですが、私は経験していないのでここでは割愛します・・・笑)
背筋を胸に持ってくるって何〜〜😱 腕立てとかできなくなるの!?
と不安になりましたが、個人の体幹として全く以前の生活と変わりがありません!乾燥している時とかに、少し背中が突っ張る感覚があるかな?と言う印象です。
(ボート漕ぎの動作で力が入りづらくなるかも、と看護師の方に言われたので退院後してボートを漕ぎに行ってみましたが、特に違いはわかりませんでした笑)
アスリートとか、身体を動かすことで生計を立てている方などは背筋の再建は検討された方が良さそうですが、私のように普通のデスクワーカーや軽作業などをされている方であれば特に気になるほどでは無いのかな?と言う個人的な感覚です。
背中に30cmほどの傷がある、大きな手術が必要な割に、手術直後の痛みもロキソニンをたまに飲んでおけばOKレベルなのが驚きでした。
乳頭(乳首)はどうなっているの?
ほぼ前の状態に戻すのであれば、乳首の再建も別途必要になります。これについては、私もまだ手術をしていません。2回目の手術でまとめてやってもらえるのかと思っていましたが、乳頭は3回目の手術が必要とのことでした。
正直乳頭について再建をするかは悩んでいて、2回目の背筋の手術の際に肋骨の一部を切除してもらい、それが元・乳頭の横あたりに埋まっています。「何を言っているか分からない」と思いますが、具体的な見た目は以下のページで絵をつけています。(傷の部分の絵が謎にリアルです 笑)
「背筋はがす」とか「肋骨の一部を切除」とか、もう軽く地獄の片鱗を見てきたような感じに聞こえますが、いずれも不思議と痛くなかったのです本当に不思議です・・・!
乳頭再建については2泊程度の入院で済むそうで、「色素の入れ方」についても
- アートメイク
- 自家組織
があるようで、アートメイクの場合は手軽だけど経年で色が薄くなってしまう、自家組織の場合は色素をとる部分(股の付け根など)の手術が必要だけど経年劣化に強い、などといったメリットデメリットがあるようで、私は手軽なアートメイクが良いかなぁと検討しています。
これについてはまだ未実施で、実際の体験談が書けないので、実施次第レビュー記事を書きたいと思っています。
いかがでしたでしょうか?
再建についてはそれぞれの治療状況やライフスタイルなどで選択肢が異なります。(入院時の同病の方は再建はしないと言う選択をしている方も多かったです)
私は背筋での再建という選択肢で良かった、と思っていますが、背中の傷が気になる人にはオススメできない再建方法だと思います。
ぜひ主治医の方や、ご自身のライフスタイルや心情などをよく棚卸しして、再建するかしないか、どのように再建をするかを検討いただければ幸いです!
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